2011年01月14日
FDAの名福線に早割制度導入
今日付の中日新聞によると、フジドリームエアラインズは、中京地区の空港一本化にあらがって、JAL(の子会社)から名古屋-福岡線の譲受を受けたが、搭乗率がJAL時代より低下しているという。最もこれは私のような航空素人でも予想できたことで、プロのはずのFDA幹部のミスが痛い。
で、世界の航空会社で普通に販売されている早割制度を、今月21日(今日から7日後)から名福線に新しく導入することに決まった。これはF0制度と名付けられ、1週間以上前に席の予約をしておけば新幹線より安い値段で名福間を行き来できるものである。新幹線より安い値段を設定したのは、もちろん経営戦略の一環であろうが、県営名古屋空港も福岡空港も、日本の基幹空港としては異常なくらい市街地にあるので、さらに料金でも新幹線に対抗できる値付けをすれば名福便の搭乗率が、JAL時代の60%を取り戻せると判断したからにほかならない。
しかし、これでは本来交通不便な静岡空港の便を財務的に補完する用途で購入したはずの名福線が一転して重荷にならないだろうか。さらにこの割引が好評ならば3月末の夏ダイヤでも継続するとFDAの幹部は語っている。
だからあれほど飛行機1時間≒鉄道3時間と言って、名福線就航を再考するように弊ブログでは書いたのだが、航空会社のスタッフがこの公式を知らないとも思えず、1日5便の権益を得られると取らぬ狸の皮算用を決め込んだことが、この不調につながっているはずである。料金がスズメの涙程度の差では、都市部には必ずチケットショップがあるので、名古屋⇔博多間の新幹線回数券は大量に出回っているに違いない。
この早割制度で得をするのは、着陸料金を得られる県営名古屋空港と、新幹線対航空機の対決で双方が安割料金を設定できるので選択肢が広がる最終消費者たる乗客であるが、ただでさえ薄い利幅で商売をしているチケットショップのみが大打撃を受けることが予想される。なお、JR東海は株式公開企業なので株主割引(というよりそれをチケットショップから買う消費者)が効くが、FDAは株式非公開企業なので、それ以上安くする余地がなく、結局は新幹線に流れた客は戻ってこない危険性が高い。
むしろ名福線の減便で所要航空機の予備を増やし、地方対地方の交通を充実させることがFDAの使命だったはずではないか。既に静岡-小松便の撤退は決定しており(しかし、静岡から小松/金沢ならば今でもひかり号~しらさぎ号で十分に通用し(一応時間は4時間以上かかるが))、短距離では利益が出ないことが判明した。先述の公式では飛行機有利のはずだったが、直線距離が短いことが災いしたのかもしれない。さらには地方対地方の路線を維持できるだけの需要が日本には少ない(とはいえ、FDA側も定員100名以下の小型機を使っている)ことも災いの一員ではないか。地方対基幹空港路線は既存の航空会社に独占されている(名福線を除く)ので、FDAは地道な努力よりも派手に社名と就航路線を覚えてもらうことからマーケティングを始める必要があるのではないか。
で、世界の航空会社で普通に販売されている早割制度を、今月21日(今日から7日後)から名福線に新しく導入することに決まった。これはF0制度と名付けられ、1週間以上前に席の予約をしておけば新幹線より安い値段で名福間を行き来できるものである。新幹線より安い値段を設定したのは、もちろん経営戦略の一環であろうが、県営名古屋空港も福岡空港も、日本の基幹空港としては異常なくらい市街地にあるので、さらに料金でも新幹線に対抗できる値付けをすれば名福便の搭乗率が、JAL時代の60%を取り戻せると判断したからにほかならない。
しかし、これでは本来交通不便な静岡空港の便を財務的に補完する用途で購入したはずの名福線が一転して重荷にならないだろうか。さらにこの割引が好評ならば3月末の夏ダイヤでも継続するとFDAの幹部は語っている。
だからあれほど飛行機1時間≒鉄道3時間と言って、名福線就航を再考するように弊ブログでは書いたのだが、航空会社のスタッフがこの公式を知らないとも思えず、1日5便の権益を得られると取らぬ狸の皮算用を決め込んだことが、この不調につながっているはずである。料金がスズメの涙程度の差では、都市部には必ずチケットショップがあるので、名古屋⇔博多間の新幹線回数券は大量に出回っているに違いない。
この早割制度で得をするのは、着陸料金を得られる県営名古屋空港と、新幹線対航空機の対決で双方が安割料金を設定できるので選択肢が広がる最終消費者たる乗客であるが、ただでさえ薄い利幅で商売をしているチケットショップのみが大打撃を受けることが予想される。なお、JR東海は株式公開企業なので株主割引(というよりそれをチケットショップから買う消費者)が効くが、FDAは株式非公開企業なので、それ以上安くする余地がなく、結局は新幹線に流れた客は戻ってこない危険性が高い。
むしろ名福線の減便で所要航空機の予備を増やし、地方対地方の交通を充実させることがFDAの使命だったはずではないか。既に静岡-小松便の撤退は決定しており(しかし、静岡から小松/金沢ならば今でもひかり号~しらさぎ号で十分に通用し(一応時間は4時間以上かかるが))、短距離では利益が出ないことが判明した。先述の公式では飛行機有利のはずだったが、直線距離が短いことが災いしたのかもしれない。さらには地方対地方の路線を維持できるだけの需要が日本には少ない(とはいえ、FDA側も定員100名以下の小型機を使っている)ことも災いの一員ではないか。地方対基幹空港路線は既存の航空会社に独占されている(名福線を除く)ので、FDAは地道な努力よりも派手に社名と就航路線を覚えてもらうことからマーケティングを始める必要があるのではないか。
Posted by 故郷を離れて13年目のカズー at 09:02│Comments(0)
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